HOME > 山岳夜景の魅力

山岳夜景の魅力

Appeal of Mountains Nightview

夜景とは?

夜景とは簡単にいうと夜の景色という意味になるようです。つまり森の中でライトアップされた滝があったとしてもそれは夜の景色ということになるので夜景といえるでしょう。しかし近年、月明りなどの自然光源ではなく人工光源による都市夜景のことを夜景と定義されてことが多いようです。
その人工光源による都市夜景にはさまざまな種類がありますが大きく分類すると、イルミネーションやビル、港、工場夜景、ジャンクションなど地上から見る夜景と、高層ビルの展望台、山や丘など高い場所から見下ろす夜景の二つがあります。そして山や丘など高い場所から見る夜景のことを俯瞰夜景と呼ばれています。そして大きく分類した二つの夜景の中でも、日本では高い場所から市街地を見下ろす夜景スポットがもっとも多く存在しています。 そこでここからは高い場所から市街地を見下ろす夜景スポットについて述べていきたいと思います。
ちなみにどんな夜景スポットであっても実際に見てみると感動的で綺麗だと感じることは個人の自由だと思います。むしろ夜景を見て何も感じなければ見に行く意味もないでしょう。そういう人も中にはいると思いますが、少なからずこの文章を読んでいる人は何かしら夜景に対して感じるものがあるからだと思います。

夜景と山岳夜景

山夜景とは山から見る俯瞰夜景(街や村の明かりの夜景)を指します。
その中で山岳夜景とはヘッドライトなどの明かりが必要な登山道を歩いていく必要のある展望地から
見た俯瞰夜景を指します。とはいえ単純に車などで簡単に行けるか、歩いてしかいけないかの違いです。
またここでは基準として標高100m以上の山としています。

から見る光の風景

山から見る夜景といっても私からすれば山から見る市街地、つまり山から見る風景一つでしかありません。
その風景は昼に見るより、夜に光っている風景のほうが何倍も綺麗に見えると私は思っています。

車で簡単に行けるような山の展望地から夜景を望んで、ただ綺麗というだけで終わるのであれば、
それは夜景というシチュエーションを使って雰囲気を作りだしてるにしかすぎません。
それも一つの楽しみ方なので否定はしません。
しかし、地形や角度や街並みをよーく見てみると奥深いものがあります。
それが山岳夜景の魅力にもつながっていくわけです。
自分の足で苦労して得た光景は何倍にも感動指数は増します

岳夜景の魅力1(三大夜景をしのぐ夜景)

三大夜景の摩耶山も簡単に行ける山夜景スポットの一つで景観としても形が良く素晴らしい夜景だと思います。
ただ、簡単に行けるような夜景スポットの中でも、三大夜景レベルのもはわずかしかありません。
ところが山に登れば(特に関西地方の山を登れば)それを上回る素晴らしい光の絶景を望める場所は
いくつも存在するということです。
山岳夜景はさまざまですが、地形が複雑だったり、急斜面だったりします。
そういう山を登っていくことで、その土地の新しい夜景の見方ができたり、
時には角度やパノラマ(視界)がよくて三大夜景をしのぐものがあったりもします。
自分の足で苦労して登った分、そういう風景に出合うと感動指数もさらに増します。
そして、その光景を見ることができるのは自分の足でその場にたどり着いた人だけです。
それがまさに山岳夜景の魅力です。

岳夜景の魅力2(誰もみたことのない街の夜景)

その土地の特徴的な形をした夜景を望むということについても
「~市街の夜景ってどんな風に見えるんだろう?」という疑問からその街を望める山を探し出して、
ルートを調べて登って夜景を望んでみる。
それって誰も見たことないような新しい風景を自分が見つけ出して望んでいるという、
新しい発見も山岳夜景の一つの魅力でもあります。
たとえば、最近みつけた相生市の夜景(宮山)なんて 感動指数は別としても、ほぼ誰もみたことのない夜景だったりします。
もちろん、写真だけでまだ見たことのない土地の夜景を山に登って望むのも魅力の一つでしょう。

ちなみに、今や三大夜景の画像なんてあちこちに出回っていますが、
私がナイトハイキングをして撮影、紹介している夜景画像は私の知り合いのサイトだけでほとんど出回っていません。
ただ、パノラマ画像だけではその迫力や光量が伝わらないものがほとんどなのも残念なところですが、
やはりそれを見て感じられるのは自分の足で歩いてそこに辿りついた人の特権でしょう。

岳夜景の魅力3(位置や地形)

奈良の若草山もパノラマ感がある素晴らしい田舎夜景を望めるスポットの一つですが、
一つ残念なのは奈良市街を見る角度がイマイチだというところです。
ところがその隣にある高円山の火床に登ってみると、奈良市と生駒山がバランスよくちょうどいい角度で
真正面に望めるわけです。

その地形や光量や河川や橋、道路のラインなど見ていれば、この付近は人口が少なくて光量が少ないとか、
高速道路のラインが都会に伸びていってるとか、ここで分岐して東西に別れていってるなど
その街の交通網や地理的なことまでわかってきます。
その地形が夜景の形になり、そして、それぞれの街の形は全部が違うこともわかります。
たとえば、中山・天宮塚は伊丹空港の滑走路が見える夜景だったり、 和歌山県の龍門山は紀ノ川を挟む和歌山県の街の地形だったり、
秩父の武甲山は秩父市独特の天の川のような地形だったりします。

高層ビルから見る夜景と夜景の違い

高い場所から市街地を見下ろす夜景スポットには山から見る夜景の他に高層ビルの展望台などから見下ろす夜景があります。高層ビルなどから見る夜景としては東京スカイツリーやあべのハルカスなどがあります。東京スカイツリーの天望回廊は標高450mであべのハルカスは建っている場所が標高26mの茶臼山付近なので約320mほどの標高があります。高い場所から市街地を見下ろす夜景という点では共通しているのですが、高層ビルなどの展望台から市街地までの距離はほとんどなく角度は90度に近いでしょう。それほどの角度がありながら展望台などから実際に夜景を見てみると高度感はあるものの、そこまで迫力を感じません。その理由として実際は迫力ある夜景のはずなのですが、メインとして見る夜景が展望台から遠いということがあげられます。つまり展望台から真下を見て高度感はありますが迫力を感じないというわけです。
また、スカイツリーやあべのハルカスなどは市街地に建てられているため、メインとして見る夜景が特徴的な高層ビルや大きな河川、道路のラインなどになってしまいます。ほぼ360度の視界はあったとしても、特徴的なものがあまりありません。そしてただ市街地の光が横に広がっている夜景というだけなので独特の地形をほとんど感じないような夜景になってしまいます。そういった展望台などからの夜景を評価してみると視界や光量はあるものの、迫力をあまり感じず、特徴や地形は低い評価になってしまいます。

あべのハルカスからの夜景
あべのハルカスからの夜景

ところで、高層ビルの展望台から見る夜景の中でも横浜ランドマークタワーや大阪府咲洲庁舎展望台(コスモタワー)はベイエリアに建てられているため、ベイエリアを望むことができるという特徴はあります。このようなベイエリアを見下ろして特徴的な写真を撮影することはできるでしょう。しかし、基本は高層ビルの展望台から見る夜景という点では同じなので迫力をあまり感じることはなく、特徴的なのはベイエリア付近だけで、夜景全体の地形は横に市街地の光が広がっているだけということになります。

横浜ランドマークタワーからの夜景
横浜ランドマークタワーからの夜景

では、高層ビルの展望台から見る夜景に比べて山から見る夜景は何が違うのでしょうか。まず山夜景の手前には樹林などで暗くなっている部分があります。この暗くなっている部分は角度によって広いか狭いか違いがありますが、それぞれ暗くなっている部分には形があります。この暗くなっている部分の形こそが夜景全体の地形を表現する重要なポイントになります。つまり暗くなっている部分の形があるからこそ、その夜景の地形の美しさを表現しているといえます。そしてそれにはある程度の角度がないといけません。

ぼくらの広場
ぼくらの広場からの夜景

山夜景には都市圏や地方などによって光量に違いがありますが、高層ビルの展望台などはほとんどが都市部にありますので光量はそれなりにあるでしょう。しかし、夜景の評価が低くても特徴的で地形が美しい夜景を望むことができます。それこそが夜景の総評だけではないということです。例えば、兵庫県豊岡市出石町にある有子山城跡からは人口が少ない出石町や遠く豊岡市の夜景が望めますが、もちろん光量は少なく山々に囲まれているため視界も広くありません。それでも出石町の独特の特徴や全体の地形が美しく、素晴らしいトワイライト夜景を望むことができました。一般的に夜景の美しさは光量だと思われがちですが、特徴や地形なども夜景の美しさに関係しているということです。このような地方の夜景を見ることができるのは、ほとんどが山夜景だけといってもいいでしょう。

有子山城跡
有子山城跡からの夜景

そういった都市部や地方の夜景をあらゆる角度から見ることができるのは、ほとんどが山夜景ということになります。高層ビルの展望台はその場所に建てないと見ることができませんが、山に展望地となる場所さえあればあらゆる街の夜景を望むことができるのが山夜景の利点です。そして山夜景を望める場所は日本中にたくさん存在しています。

最後にまとめると、高層ビルの展望台などから見る夜景は視界や光量はあるものの特徴や夜景全体の地形の評価は低いということです。それに比べて山夜景は視界や光量はさまざまでありながら、特徴や夜景全体の地形も重要視されて評価されているのです。もちろん、高層ビルなどの展望台から見る夜景というのはその場所に行けば簡単に見ることができますが、ナイトハイキングしないと見れない夜景は苦労して山に登って見る夜景なので感動も全然違います。

まとめ

ナイトハイキングで見る夜景はほとんどが誰も見たことのない特別なものです。
これまであらゆる夜景を見てきた結果、大阪にあるぼくらの広場が日本一の迫力と光量の夜景スポットでした。
ずいぶん山に登って探しましたが、これを超える光の絶景は未だ見たことがありません。